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Birthday Song(第1話)

今日は「つよきす」ヒロインのひとり「なごみん」こと
椰子なごみ嬢のお誕生日です。
おめでとうございます。

nagomikaoM.jpg

(C)きゃんでぃそふと

というわけで。
発売から既に2ヶ月も経ってしまいましたがソフガレノベル
「なごみのクリスマス」ご愛読感謝とお誕生日祝いも兼ねて
久しぶりにショートストーリーを書いてみました。
とはいえ、いろいろありまして一気に書き下ろしではなく
全3~4回の連載形式になってしまいますがお許しを。

ついでにぶっちゃけちゃいますと、実は最終的なオチを
きっちり決めていません(笑)見切り発車もいいところです。
しかし逆に読者諸兄からの反応次第でストーリーや展開が
変わるかもしれません。なごみんを幸せにしたいあなたは
ぜひコメントをお寄せください。

では、連載第一回、スタートです。


*****************************************************************
1.

「えっ……誕生日のプレゼントですか?」
 2月ももうすぐ終わりというある日の放課後、
レオはなごみに尋ねた。
「ああ、もうすぐなごみの誕生日だろ。プレゼントは何がいい?」
 2月28日はなごみの誕生日だ。二人が付き合い始めて
最初の誕生日である。
彼女には昨年末のクリスマスプレゼントのお返しもまだ
だったから、何かプレゼントをしなければとレオは考えていた。
 とはいえ、なごみが欲しいものがよくわからない。何せ元々
自分からモノをおねだりすることがほとんどないのだ。
 どうせプレゼントするのなら、本当に彼女に喜んでもらえる
ものがいい──そう考えたレオは、単刀直入になごみに聞いてみた。
「……いりません」
 なごみは即答した。
「はい?」
 あまりにあっさりした答えが返ってきたので、思わず聞き返す。
「何もいりませんから」
「な、何もいらない、って……」
 なごみのそっけない返事にレオは焦る。
(ま、まさか……何かなごみの機嫌を損ねるようなこと
 言ったかな……?)
「あ……ち、ちがうんです」
 呆然とするレオに気づいたなごみが、あわてて否定する。
「何もいらない、ってのは、何もしてほしくないことじゃないんです。
 そ、その、センパイといっしょにいられるだけで、あたしは……」
 そこまで言うと、顔を真っ赤にしてうつむき、口ごもる。
 自分の前だけで見せるなごみの子供っぽくかわいい姿に、
レオはホッと息を吐く。
「でもなぁ、クリスマスのときのお返しもまだしてないし」
「いいんです。センパイがこうしていっしょにいてくれるのが、
あたしにとって一番のプレゼントです」
 そういうとなごみはレオの腕にしなだれかかる。
「ほ、本当にこんなのでいいのか?」
 肩にちょこんともたれるなごみの頭をいい子いい子と撫でながら、
改めてレオは尋ねる。
「はい。モノじゃなくてハートのプレゼントです」
「ハートのプレゼント、ね……なごみって、案外根っこはポエマー?」
「ち、違いますよ。こんなコト、センパイの前でしか口にしません」
 なごみがポエマーかどうかはともかく、彼女がモノではなく
ハートのプレゼントで満足してくれたのは、内心レオにとっては
ありがたかった。
 ここ最近はなごみといっしょにいる時間を最優先しているので、
以前のように短期バイトで臨時収入を得る機会が減っていた。
 その分なごみといっしょにいられる時間が増えてイチャイチャできる
のだから収支プラマイゼロだな、とレオは思った。
「それに……センパイの財政状況はあたしも理解していますから。
贅沢言いません」
 しっかりバレていたようだ。
「ううっ、すまないねぇ」
 男としてはこうもあっさり看破されて情けないところだが、
事実は事実。
 レオはわざとらしく泣きまねでなんとか笑いの方向へごまかした。
「プレゼントなんて、マイマザー以外からはここ何年ももらって
いません。そのプレゼントにしたって毎年『なんでこんなの』って
ものばっかりだし」
「ははは、たしかにとんでもないものをプレゼントしそうだな」
 母からの理解に苦しむプレゼントを受け取る現場を想像して、
レオはつい笑ってしまう。
「ちなみに去年は絶対着ない子供服みたいなデザインのオーバー
オールでした」
「あはは、それ、見たいな! 今度着て来いよ」
 今度はなごみのかわいらしいオーバーオール姿を想像して、
レオはひとり盛り上がる。
「もう、冗談はやめてください」
 ちょっとふくれるなごみだが、そんな姿もレオには愛おしい。
「そういえば……一度だけお父さんが誕生日にケーキを作って
くれたことがありました」
 なごみがふと思い出すようにつぶやく。
「いちごのいっぱいのったケーキの上にろうそくを立てて、
お祝いしてくれました」
 なごみにとって幼い頃に死別した父親は特別の存在だとレオも
知っている。彼女が料理好きなのも、料理好きの父親の薫陶を
受けたことが大きいという。
「じゃ、誕生日の日はケーキでも買って来て、ろうそく立てて
お祝いするか?」
「い、いえ、いいです。もうろうそくを吹き消して喜ぶような
子供じゃないです」
 自分が子供じみていると見られていると思ったのか、なごみは
レオの提案を断る。
(とはいえ、何かしらお祝いはしてやりたいよな)
 毎年自分の誕生日は、スバルやきぬ、フカヒレたちが祝ってくれる。
 正しくは誕生日に託つけてのファンダンゴ(莫迦騒ぎ)なのだが、
それでも仲間たちの笑い声の中いい気分の時間を過ごすことができる。
 なごみがモノなどいらない、ハートがプレゼントだというのなら、
なごみのハートを幸せでいっぱいにしてやりたい。
 そのために自分は何ができるのか……。
(……よし、決めた)
 テンションに流されるのは好きじゃないが、こういうときは別だ。
 レオはある決意を秘めてなごみを誘う。
「なあ、誕生日はウチでいっしょにメシ食おう」
「はい、そのつもりです」
「その日は俺が夕飯を作る。なごみのためにうまいもの作ってやる」
 思いもよらない提案に、なごみは眼を丸くして言葉もなくレオを
見つめる。
「な、何だよ。その信じられないって眼は?」
「あ、いえ……その、意外だったもので」
 たしかにレオはなごみと違い料理はほとんどしない。なごみと
出会う前はもっぱらスバルに毎日の食生活を依存していたことを、
彼女も知っている。
「とにかく、俺が腕によりをかけてうまいもの作ってご馳走してやる。
 今年の誕生日プレゼントはそれで我慢してくれ」
 なごみとしてはそこまでしてくれなくても、と思う反面、
レオが自分のために慣れない料理をしてくれるという、その心遣いが
なによりうれしかった。ここで遠慮しては却って失礼になる。
「わかりました。センパイの手料理、楽しみにしています」
 なごみはちょこんと頭を下げてお願いした。
 

(以下次回に続く) 


 
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佐々宮ちるだ(Tilde SASAMIYA)

  • Author:佐々宮ちるだ(Tilde SASAMIYA)
  • 19XX年埼玉県出身。おひつじ座・O型・ゲームやアニメのノベル、シナリオを書きながらゆるゆると生きてます。商業誌で漫画は描いておりません(苦笑)これまで手がけてきた作品についてはこちらをご覧くださいませ。小説およびシナリオ、企画などのお仕事を広く承っております。ご依頼、ご相談などはstargazer★myad.jp(★をアットマークにしてください)までよろしくお願いします。
    ※現在、2017年初夏以降のライトノベル・ゲームシナリオなどのお仕事を募集中です。
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